エアコンなどの機械に頼りすぎず、太陽の熱や光、風といった自然のエネルギーを最大限活用して、快適で省エネな住まいを実現する設計手法のことです。

断熱材の種類や窓の性能よりも重要な要素です。

 

例えば、季節によって変わる日射角度や風の吹き方などを踏まえて、建物や窓を配置し、窓の大きさや種類、軒の長さや角度などを設計します。

そうすれば、冬は日射を取り込んで室温を上げ、夏は日射の侵入を遮って室温の上昇を抑えます。窓を開ければ風が気持ちよく通り、照明なしでも昼間明るい室内。といった、冬は暖かく、夏は涼しい、一年中快適に暮らせる住環境となります。

 

ここで、山陰の気候についてですが、年間日射量は全国で島根37位、鳥取41位と少ない一方、湿度は全国で島根6位、鳥取10位とかなり高い地域です。

気温も夏は30℃を超える日が多く、沖縄の人曰く「沖縄よりも暑い」と言われるほど実は過酷です...。

一方で緯度は高く、冬は日本海から冷たい風が吹きかなり寒いです。

夏は高温多湿、冬は冷たい風が吹き山間部は豪雪となる、それが私たちが住む地域、山陰です。

 

井原建設でのパッシブ設計は、基本となる5つの「断熱・日射遮蔽・自然風利用・昼光利用・日射熱利用暖房」のうち3つを特に重要視しています。

⑴屋根の断熱

屋根は基本的に天井裏面で断熱する「小屋裏断熱」という手法を採用していますが、さらに付加断熱で二重に断熱をしています。

⑵日射の活用

夏の日射を遮り、冬の日射をできるだけ室内に取り込むというものです。これを数値で表したものがηAC値、ηAH値です。ですが、上記で記載した通り、山陰では日射量はあまり期待できないため夏の日射をできるだけ遮ることに主眼を置いて設計しています。

⑶通風の利用

お客様のスタイルに合わせてご提案させていただいており、できるだけ室内に風を通したいと希望される場合は取り込みやすく、また風が抜けやすいよう窓の配置を提案しています。

 

プランニングの段階で日射シミュレーションや室温シミュレーションを行い、時間や季節による室温の変化、仕様による違いを分かりやすくご提示させていただいています。

 

 

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